新米臨床工学技士の歩み

2023年4月から働いているMEのブログです。

オペ室の一日の流れと研修

オペ室の一日の流れ

 

出勤後、今日の予定の変更や、夜勤帯と当日の緊急の有無を確認

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オペ室の朝礼

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自分の担当の手術や部屋の準備をする。MEとして手術機器の使用前点検も実施

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オペの介助を実施。器械出しや手術機器の接続、設定、トラブル対応

※器械出し:医療ドラマなどで執刀医にメスなどを渡している人

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休憩

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オペの介助の続きや、担当以外のオペの入退室や患者さんの対応

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オペに使用した機器の使用後点検や片付け

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翌日以降の予定確認と担当の患者さんの情報収集

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各部屋の機器のチェックと日報入力をして退勤

 

おおよそですが、私はこのような流れで動いています。

 

手術機器として挙げられるのは麻酔器のほかに、腹腔鏡や胸腔鏡などに使用する内視鏡機器、電気メスや超音波手術装置などのエネルギーデバイス、da Vinciなどのロボット手術装置などがあります。これらの術前、術中、術後の点検などを実施しています。

 

臨床工学技士が器械出しという役割につくことは、現状ではあまり多くはないことかもしれません。しかし、今挙げたように手術に関わる機械というのは多岐に渡ります。2021年の7月に公布された、所謂タスクシフトと呼ばれる法改正でも、「手術室で生命維持管理装置を用いて行う鏡視下手術における体内に挿入されている内視鏡用ビデオカメラの保持及び手術野に対する視野を確保するための当該内視鏡用ビデオカメラの操作」という項目が追加され、手術室への配属、清潔野への介入が必要視されているということは事実ですし、今後導入する病院が増えることも容易に考えられます。

 

 

私が手術室に配属されて受けた研修としては、まず一日の流れ、予定の確認と見方、教育体制と教育担当者の紹介でした。

一日の中で自分はどこに行ってどのような内容の研修を受けるのか、誰に質問をすればいいのかということを教えてもらいました。

手術室というのは、「オペ室看護師(通称オペ看)」という役割があるように、看護師さんが多い現場です。器械出しというのも本来看護師さんの役割です。そこに介入するからには看護の目線もある程度は持っている必要があると考えられ、教育担当者はMEのほかにも看護師さんが就いていました。

なのでMEとしての動きと共に、オペ看さんとしての動きも教わることになります。

 

MEとしての研修は日々の点検の方法やタイミング、手術への介入箇所を教わり、オペ看としての研修としては患者さんへの介助の方法や考え方、使用する薬剤、情報収集でとるべき情報など教わり、非常に濃密なものとなりました。もちろんこれ以外にも多数項目を教わっています。

 

これらの研修は実際に器械出しの経験を積みながら少しづつ教えてもらう形になっています。

次回以降から、実際に入った手術の話や、研修の項目それぞれについてなど取り上げようと思います。

入職から配属先に行くまで。

4月に入職をした後、臨床工学技士が関わっている部署の見学にそれぞれ1日ずつ行きました。

 

私の勤務先では、医療機器の中央管理をしているMEセンターのほかに、ICU、内視鏡室、アンギオ室(心カテやアブテーションの部屋)、透析室、手術室に関わりがあります。

それぞれの部署で行っている業務やその上で注意していることなどを教えて頂きました。

 

例えば、MEセンターでは返却された機器の使用後点検や定期点検、病棟などから依頼された修理の対応、外来でのペースメーカー患者への対応、病棟やICUで患者に装着されている、呼吸器やCHDFといった機器の管理などを行っています。

 

それぞれの部署で働いているMEにつながりを作ると共に、医療という現場に入ったこと、多職種連携の多さを実感することになります。

 

学生時代に勉強したことが根本にはありますが、やはり学生と現場との間には大きなギャップがあることは間違いないです。

学生の頃に頑張って学び、習得したものは現場にいる人にとっては考えなくとも瞬時に出てくる、といったものが多くあります。

もちろんすべての分野ではなく、配属された部署のものに関しては、という一面もありますが。

 

およそ1週間かけて見学をしましたが、どこに行っても感じたことは、コミュニケーションを取ることの大事さと、学生時代に学んだこと+αで勉強し続けないといけないなということです。

自分が関わった患者さんに対して、重篤な不利益を起こしてしまうことはもちろんあってはならないのですが、小さな不利益であっても起こさないことに目線を向けると、やはり実施する行為に対しての知識と周りとの確認などの連携が重要になると感じました。

 

ご挨拶

読者のみなさん、「新米臨床工学技士の歩み」をご覧いただきありがとうございます。

当ブログは、2023年の4月から手術室で勤務をしている臨床工学技士のブログです。

 

日々の業務や研修で手に入れた知識を落とし込む、プラスαとして自分で調べたことをまとめ上げていくつもりです。

 

学生の方で現場の雰囲気や、何を先に学べばいいか、などを知りたい方への一つの教材のようになればと思っています。

 

医療に関して、根拠や情報、それらの正確さが大事であると思っていますので、存分に調べ上げて書くつもりではありますが、100%の信頼は置かず、自身でも調べていただくようにお願いします。

 

拙いところもあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。